その男、武千代

33歳、独身、借りぐらしの崖っぷち。

「森見登美彦」作品の腐れ大学生への永遠のシンパシー

森見登美彦」という作家さんの作品が好きだ。

大学生の終わり頃からもう10年以上ファンで、新刊が出れば欠かさず買っている。

 

森見登美彦氏の「太陽の塔」という作品がある。腐れ大学生である主人公が、自分をフった女性の周りをストーキングし、クリスマスファシズムに反旗を翻しながら物語は進んでいく。エモい。とてもエモーショナル。

 

毎年クリスマスが近づき、クリスマスファシズムに傷つき、サンタ狩りを計画するたびにこの作品を思い出して読んでいる。しかもクリスマスシーズンの間に2、3回は読むので、この10年でかれこれもう30回以上私はこの作品を読んでいる。異常な回数だ。

 

作中、3人の友人が登場し、それぞれ個性的な腐れ大学生っぷりを存分に発揮して物語に華を添えている。

 

腐れ大学生4人が非モテをこじらせて悶々としながらも、独自の世界観を突き詰めていく様は大学時代、彼らと同じように非モテをこじらせて腐れ大学生として生きていた自分と重なり、シンパシーを感じてしまう。

 

そして不思議なことに歳を取って大学時代が遠い記憶になればなるほど彼らへのシンパシーは強くなる。33歳のおっさんが非モテの腐れ大学生に未だにシンパシーを感じる異常事態。

 

彼らの基本行動である男女交際に対しての妬みや嫉み、非モテ男子と団結してくだらないことに情熱を燃やしたり、イベントの度に浮足立つカップルへの侮蔑、世の中の女性が自分に振り向かないのは世間がまだ自分に追いついてないだけみたいな闇雲な自信とか、学生時代の私そのものだし、未だに引きずってこの歳まで生きている。

 

むしろこの10年でさらにこじらせてもっと深い闇の部分に落ちている。妬み嫉みの権化である。「腐れ大学生」から社会人として立派な大人になるはずが、「腐れ社会人」にクラスチェンジしてしまった。どこで道を間違えてしまったのか。

 

学生時代に非モテで、スクールカーストの底辺とはいかなくても上位のウェーイ勢とは絶対仲良くなれないし、趣味は基本的にインドアでオタク気質、人見知りだけど仲間内では意外とよく喋るみたいななんかちょっと癖のある人にはオススメの小説です。

 

逆に学生時代がバラ色で、スクールカーストの頂点にいて、スポーツ万能で、友達100人いるし、休日は地元の仲間とBBQだぜマジ地元最高ウェーイみたいな人には全く刺さらないし、何が面白いの?ってなること間違いなし。私の視界に入らないで、眩しいから。

 

まだ先の話ですがきっと今年のクリスマスシーズンに私はこの小説を読むのでしょう。小説の中の彼らは永遠に腐れ大学生で、本を開けば私を待っていてくれる。幸せなクリスマスになりそうです。