「だもんで」と言う営業マンから電話がかかってきた件
先日、職場に広告の営業マンから電話がきた。
声の感じ50絡みのおじさん、30そこそこの私よりだいぶベテラン。流暢な営業トークで広告を載せないかとアピールする50絡みの営業マン。
営業の酢いも甘いも噛み分けたような、百戦錬磨のようなオーラを電話越しに感じる私。
ただ、少し話しをするうちに気づいた。
この人「だもんで」って言い過ぎじゃない?、と。
センテンスとセンテンスの間にことごとく「だもんで」って挟んでくる、なんならセンテンスのスタートにも「だもんで」って言ってる、それどこからの「だもんで」なんだ。
もう途中から広告のセールストークそっちのけで何回「だもんで」って言うか数えてた。そしたら1、2分の会話の間に26回くらい「だもんで」って言ってた。
広告を担当しているのは店長で、外出中だったのでその旨を伝えると、
「さようでございますか、店長様はお出かけだったもんでいらっしゃいますか。」
!?
「お出かけだったもんでいらっしゃいますか」
新しい。
「だもんで」の過去形、「だったもんで」と敬語のコラボレーション。
「だもんで」って一般的には敬語とは遠い存在だと思うんです。ビジネス会話の中では使っちゃいけない類のフレーズ。新入社員がお客様と電話中に「だもんで」って連発したら、電話終わった後にすぐさま先輩社員が注意するレベル。お前口癖ですげー何回も「だもんで」って言ってるよ、気付いてる?、意識して治さないとダメだよ、みたいな。
しかし、「だもんで」使いこなし、もはや1番遠い存在である「敬語」と融合させるレベルまで到達したこの50絡みの営業マン…出来る!
平坦な道のりではなかったはずだ。何度も何度も注意されても「だもんで」を使い続けた男気溢れる営業スタイル…賞賛に値する!
とか妄想しながらニヤニヤして電話を受けていたのですが、私に広告掲載の権限がないとわかるとそそくさと電話を切られてしまいました。
もっとお話ししたかった、あなたの「だもんで」をもう少し聞きたかった。そして過去形の「だったもんで」を超える新たな活用形を披露して私の度肝を抜いて欲しかった。残念でならない。寂しい。この気持ちをどこにぶつければいいの。また、すぐ電話して来てくれるだろうか。その時きっとあなたは最初から店長を指名して私となんか話してくれないんだ。寂しい。私はあなたのなんだったの。話しかけてくれたのはただの気まぐれだったの…?
そろそろ仕事を真面目に取り組もうと思います。