その男、武千代

33歳、独身、借りぐらしの崖っぷち。

社員旅行に行きたくなくて色々策を練ってみる

先日、上司が9月に社員旅行に行くことを発表した。

 

その瞬間から私は、

「どうしたら社員旅行をパス出来るか」

をずっと考えている。

 

行きたくない。私は社員旅行に行きたくないのだ。

 

会社の飲み会だって行きたくないのに、会社のバーベキューだって行きたくないのに、もはや会社にすら行きたくないのに。社員旅行だなんて。

 

私にとって社員旅行は「参加したくない会社の行事」のぶっちぎりで1位。2位以下に大差をつけての1位。2位に48ゲーム差ぐらいつけて1位、なんなら開幕した時から2位に17ゲーム差くらいついてる。

 

 

そもそも休みの日に会社の人と会うのがとても嫌だ。平日に毎日会ってるのに。休みの日くらい顔を見たくない。

 

数えてみると社員旅行に行った週は「12日間」連続で職場の人と顔を合わせないといけなくなる。約半月にも及ぶ長期間、毎日顔を合わせるなんて。私は、連続して12日間も、職場の人と会いたくない。地獄だ。

 

12日間も顔を合わせたい人なんてこの世に「吉岡里帆」と「吉高由里子」、「広瀬すず」、「小松菜奈」、「本田翼」、「波瑠」、「木村カエラ」、「北川景子」、今パッと思い出せるのはこれくらいだ。

 

ネットで、

「社員旅行  行きたくない」

と打ち込むとたくさん休む口実を掲載してるページが出てくるから面白い。

みんな社員旅行に行きたくないんだ。そう思うと心強い。同士はたくさんいる。私はひとりじゃない。

 

調べてみるとプランは色々とあるようで、みんなあの手この手を使って社員旅行を断ることに必死に知恵を絞っている。

 

代表的な断り文句としては、

「大切な友人の結婚式」

をデッチ上げるというのがあった。

社員旅行より前に決まっている結婚式より社員旅行を優先しろ、とはさすがに言われないだろうという作戦。確かにこれは使える。幸い友人はたくさんいる。選り取り見取りだ。誰を結婚させてやろうか。

 

しかし、我々の会社は平日休み。よって社員旅行の日程も平日。平日に結婚式を挙げる友人というのはいささか信憑性に欠ける。ダメだ、これは使えない。

 

 

他には

「家族との予定」

というのもあったが、残念ながら私は33歳、独身のため両親と弟夫婦と祖父母以外に家族がいない。

この布陣で、私だけ平日休みで、平日に開催される社員旅行を、上手に断る口実を、私は思いつかない。誰かに死んでもらう以外に思いつかない。さすがにそれはバレる、死んでいない人を死んだことにするのは難しい。

しかも毎年家族の不幸で社員旅行を欠席していたら、数年したら私は天涯孤独になってしまう。バレる、これもダメだ。

 

 

更に強硬策のような

「正直に行きたくない事を伝える」

というのもあった。変に嘘をつくと、その嘘がバレないように更に嘘を重ねて精神衛生上よくない、翌年以降も断るならこの際本当の事を打ち明けて断ろう、みたいな感じ。

確かに、それはごもっともだ。誰も嘘なんてつきたくない。

ただそれは上司が話のわかる人で、比較的進歩的な考えを持ってる場合じゃないと通用しない。

私の上司は身長180cmを超え、見た目はまるで戸愚呂弟のようで、声は低くデスボイス、毎日夜遅くまで仕事する事を奨励し、そして何より社員旅行を楽しみにしている。

そんな先進性は無くとも圧倒的な強さを誇る上司に社員旅行に行きたくないと正直に伝えるとどうなるか。

 

 

 

f:id:automationtakechiyo:20180518081831j:image

 

こうなるか、

 

 

 

f:id:automationtakechiyo:20180518082954j:image

 

こうなるだろう。

 

私はまだ死にたくない。やりたい事もたくさんある。ここで死ぬわけにはいかない。しかし現時点での私の実力では戸愚呂弟を倒すのは不可能だ。あっけなく力尽きるだろう。秒殺、いや、瞬殺だ。

 

しかし、私が戸愚呂弟を倒す道を選び、仕事そっちのけで玄海師範の下で修行を積み、仮に戸愚呂弟を倒せる程の強さを身につけることが出来たとしよう。恐らくその頃には、社員旅行は無事に終わり、私は会社での居場所を失っているだろう。サラリーがなくなるのも困る。生活が出来ない。それは困る。

 

 

まさに八方塞がり。

 

 

もう万策尽きた。私は社員旅行に参加するしかないのだ。悔しい、私はとても悔しい。

 

 

私は自分の意思を貫けなかった悔しさや悲しみを抱えたまま、

沖縄の綺麗な海で泣く泣くマリンアクティビティに興じ、

白い砂浜でパラソルの下、嫌々ピニャ・コラーダやマイタイを飲み、

苦し紛れに国際通りでショッピングをし、

夜は三線の演奏を聴きながら沖縄料理に渋々舌鼓を打ち、

不本意ながら夜の街に繰り出して、

沖縄美女とのパーリナイを余儀なくされるのであろう。

 

 

 

 

誠に遺憾である。