その男、武千代

38歳、モッズ系2児の父。

「マイケル3世」の圧倒的才能

私はここ数年、

「ファッションリーダーでありたい」

と思って暮らしていた。

 

モッズ界の超新星

そしてモッズに止まらないファッション性、

モッズとモードの架け橋、

モッズとフレンチファッションの合いの子、

モッズとアメカジのハイブリッド、

モッズにインスパイアされたスポーツファッション、

モッズ界の革命児、

すなわち、それは私、武千代。

日本、いや世界のモッズが認める存在になりたい、それが私の目標だった。

 

 

「モッズ界の革命児」になるために日々「WEAR」を眺め世のオシャレさんのファッションをチェックし、メンズファッションバイヤー「MB」氏のメルマガを購読しファッションを体系的に学び、ネットで見つけたオシャレに敏感なファッションサイトをお気に入りに登録して日々チェックする日々。

 

私はファッション漬けの日々を過ごし、ストイックにファッションと向き合い、メキメキとファッション偏差値を向上させた私は、もはや

地元じゃ負け知らずなモッズ系34歳」

になったと感じていた。

 

もう誰かの模倣はやめ、オリジナリティを追求する、「フォロワー」ではなく「リード」する存在、すなわち

「ファッションリーダー」

として振舞っても良い時期が来たと思っていた。

 

 

そんなある日、

「そろそろ世界に目を向けよう」

と海外のオシャレファッションサイトを検索した時に見つけたのが

マイケル3世

というファッショニスタ。

 

ニュース|クリスチャン ルブタン公式サイト - アーティスト兼インスタグラマー:Michael the III

 

このサイトの紹介文を読んでも「マイケル3世」が一体何者なのかよくわからない。色々と検索をしてみたが「マイケル3世」の全貌がわかる日本語サイトが見つからない。

 

 

実際に私が初めて「マイケル3世」の存在を知った記事を読んでもらいたい。その方が「マイケル3世」を感じて頂けると思う。

 

マイケル3世式 オープニングレセプションの装い | SSENSE 日本

 

このサイトに辿り着き、「マイケル3世」に初めて触れた時に思ったのは、

 

「文章が恐ろしく読みづらい」

 

ということだ。

 

私はこの記事を読み切るのにおよそ1週間かかり、記事の内容を理解するのにさらにもう1週間程の時間がかかった。英語の原文を無理矢理訳しているのか、日本語を読んでいる気がしない。頭に文章が入ってこない。こんな感覚は初めてだった。

 

ただそんな恐ろしく読みづらいこの文章を最後まで読んでしまう程、私を惹きつけたのは「マイケル3世」のファッションだ。彼の感度の高いファッション。控え目に言って、ファッション性が、高過ぎる。

 

先程のサイトに掲載されている全ての写真が、私が今まで触れたことのない斬新なファッション、前衛的な構図、そして圧倒的なオリジナリティを放っている。唯一無二。他に類を見ない存在感。これが本当の「ファッションリーダー」だ、と私は直感的に感じた。彼こそが「ファッションリーダー」だ、と。

 

 

そこから彼の記事をいくつか読んだ。どの記事も読みづらい文章だが、ファッションスナップはやはり圧倒的な個性を放っている。

 

マイケル3世式 ベッドルームファッションの手引き | SSENSE 日本

 

世の中に「ベッドルームファッション」という概念があることを教えてくれた「マイケル3世」。

 

マイケル3世式、オフィス ファッションの手引き | SSENSE 日本

 

このオフィスファッションの記事は個人的にかなり好みで、こんなファッションした人間が突然職場に配属されたら毎日ワクワクするな、と思いながら読んだ。

 

マイケル3世式 ジム ファッションの手引き | SSENSE 日本

 

私もジムに行くので「ジムファッションの手引き」は興味深く読ませて頂いた。

 

 

しかし、はっきり言って「マイケル3世」が提案しているファッションが「オシャレ」なのか、今の私には理解が出来ない。

 

「マイケル3世」が「ファッション」を「リード」している事はわかる。

 

今の私の「オシャレ偏差値」では、彼のファッションを正当に評価することが出来ない。そのレベルまで達していない。数年かけて上がったと思っていた私のオシャレ偏差値は、「マイケル3世」の前では無力であった。無力であり、おそらく彼のレベルまで到達する事は私には不可能だろう。不可能だし、「マイケル3世」みたいになりたいかと言われると、特になりたくない。なりたくないし、私は、あんな格好で外に出れない。

 

 

私はもう自分のことを「ファッションリーダー」だなんて言わないし、今後「ファッションリーダー」を目指したりもしない。私の想いは全て「マイケル3世」に託した。これからも「マイケル3世」には「ファッション」界を常に「リード」してもらいたい。