その男、武千代

38歳、モッズ系2児の父。

お酒、誰と飲んでも、それなりに楽しいのは、お酒が好きだからじゃない。

 

 

仕事終わりに3、4人で飲みに行くなら気楽に行けるのでいいのだけど、働いている事務所での「飲み会」や、営業部みんなが集まる「飲み会」になると途端に億劫になる。「飲み会」と言うフレーズがもう好きじゃない。

 

大勢人がいる「飲み会」は、疲れる。知らない人がたくさんいる「飲み会」は、疲れる。上司がたくさんいて気を遣う「飲み会」は、疲れる。

 

乾杯が始まる前のあのなんとも言えない空気感も嫌いだ。

知らない人ばかりの飲み会だと、どこの営業所の人か、どっちが役職が上かとか、どっちが社歴が長いかとか、年齢的にどっちが上かとか、探り合いながら当たり障りのない話をしないといけない。もう乾杯前から疲れてしまう。

 

だからあまり「飲み会」には積極的に参加したくない。

行かなくていいなら、行きたくない。参加が任意なら、拒否権を発動する。年甲斐もなく行きたくないと、グズる。

 

年長者の人たちは、

「横の繋がりも大事だから」

とかもっともらしいことを言うが本当はただ飲みたいだけだろ、と私は思う。

おじさん達は飲み会に大義名分が欲しいのだ。「飲み会」を正当化する理由が欲しいのだ。

 

さらに言えば私はお酒が好きではない。

「お酒が飲める」と「お酒が好き」は違う。「飲める」から「好き」とは限らない。あくまで体質の問題で、私はお酒を「飲める」だけで「好き」ではない。

 

どんなお酒でも飲めるから飲んでるだけで特定のお酒が好きでもないし、味の違いも大してわからない。

もちろん「日本酒」と「焼酎」と「ウイスキー」の違いはもちろんわかる。味が違うから。

あとは「飲みやすい」とか、「飲みにくい」のレベルの差があるくらい。ウイスキーは飲みにくいし、テキーラはもっと飲みにくい。それくらい。

 

でも、結局酔っ払ってしまえばまぁまぁ面白おかしく振舞ってしまう。面白くもないのに。

 

お酒も嫌いだし、飲み会も嫌いだけど飲み会の雰囲気だけは好きで長年やらせてもらってます。