その男、武千代

38歳、モッズ系2児の父。

「ムトゥ踊るマハラジャ」を今さら見る

前回、前々回に引き続き、大昔の映画を見たので大変おこがましいがレビューしたいと思う。

 

前回、前々回はこちら↓

ルミナ Part1 - その男、武千代

ルミナ Part2 - その男、武千代

 

先日、Huluにログインすると、

「ムトゥ踊るマハラジャ

が配信されているのを見つけた。

この映画、公開当時に結構話題になったことを記憶している。ワイドショー等でも紹介されていて、社会現象を巻き起こしたはずだ。

この盛り上がりに便乗したと思われる、

「ナトゥ踊る!ニンジャ伝説」

という映画が当時放送していたバラエティ番組「ウッチャンナンチャンウリナリ!!」で製作されている。いずれはこの映画も鑑賞したいと思うが、こちらもHuluで配信されることを祈るしかない。DVDを買ってまでは見たくないし、そもそもDVD化されているのかも怪しい。

 

そんな一大ブームを巻き起こした「ムトゥ踊るマハラジャ」を今さらながら鑑賞してみた。

(以下、ネタバレ含みます)

 

■「ムトゥ踊るマハラジャ」(1998年日本公開)

冒頭、「20世紀FOX」とか「MARVEL」みたいに製作会社のロゴが出てきたんだけど、よくわからない映像と、英語とヒンディー語?みたいなのが併記されていて、独特の雰囲気を醸し出していた。ガンジーも出てきた。

続けざまに映画のタイトル

「Muthu」

がバン!と画面一面に表示される。インドでの原題はどうやら「Muthu」らしい。シンプルで、わかりやすい。

その後、登場人物が写真と名前付きで紹介されるのだが、ここはヒンディー語オンリーのため読めなかった。もし読めたとしても、あんな一気に紹介されても覚えられないだろう。

 

そんなキャラクター紹介の後に本編が始まると、謎のインド人が突然、鶏に向かって「ムトゥが来るぞ!」話しかける。すると鶏が鳴き、夜が明ける。斬新なオープニングの演出に、早くも理解が追いつかない。さすがボリウッド、と言ったところか。

そこからしばらく、鶏に話しかける謎の男が屋敷内ですれ違う人に片っ端から「ムトゥが来るぞ!」と話しかけるシーンが続く。どうやら「ムトゥ」は人の名前らしく、謎の男も「ムトゥ」も屋敷の使用人のようだ。そして「ムトゥ」は屋敷の若旦那の担当を任されており、使用人の中でも一目を置かれる存在、というエピソードがここで紹介される。

 

それにしてもこの映画、始まって5分くらい「ムトゥ」の名前やエピソードはたくさん出てくるのに、「ムトゥ」本人が出てこない。どんなイケメンが出てくるのかなぁ、と登場を楽しみにしていると、中肉中背、髭のオジサンがアクロバティックに騎馬するシーンでいよいよ登場。どうやらこの人が「ムトゥ」らしい。ちょっとイメージと違ったが、インドではイケメンなのかも知れない。(ウィキペディアで調べたら、インドの国民的俳優みたいです。)

そこからしばらくインド映画特有のダンスと歌のタイム。不思議な歌とダンスだった。

 

映画はストーリーパートが少し進むと、歌と踊りのパートになって、終わるとまたストーリーパート、少ししてまた歌と踊りのパート、の繰り返し。

 

ストーリーパートでは若旦那が舞台女優に恋するがムトゥと舞台女優が恋仲になったり、それに怒った若旦那が悪役(若旦那の叔父さん)にそそのかされて屋敷からムトゥを追い出したり、ムトゥが元々その土地を治める偉い人の息子で、ムトゥのお父さんを土地から追放したのが若旦那をそそのかした悪役だったり、ムトゥのお父さんが帰ってきたり、若旦那が改心してムトゥを連れ戻しに行こうとすると悪者に崖から突き落とされたり、ムトゥのお父さんが木の下で暮らしたり、ムトゥが悪役を倒したり、若旦那が無事だったり、ムトゥのお父さんがいなくなったりするのを圧倒的なテンションと、インド的ユーモアと、香港映画の100分の1くらいの圧倒的なアクションを交えて描いていく。

その間にたくさん挟まれる歌と踊りは圧倒的なインドクオリティで、それはもうインド的な感じで、紛れもなくインド映画を観ていると再確認させられる。そしてそのパートがまぁまぁ長い。

ストーリーパートだけなら大した長さにならないはずなのに、歌と踊りのパートがあるせいかこの映画、上映時間は2時間半を超える。まぁまぁ長い。しかもずっとアッパーなテンションでひたすら続いていくので鑑賞後はぐったりと疲れてしまった。

 

ストーリー的に特筆する点はないし、映像はなんだか古めかしいし、今の映画と比べて優れている要素はないが、インド映画独特の雰囲気や、大人数で踊るインド的なダンスと不思議な歌、何より映画から感じられる圧倒的なテンションは他の映画では経験出来ないと思う。

 

普通の映画に飽きて、ちょっと変わった映画が観たいなぁ、という人にオススメです。