その男、武千代

38歳、モッズ系2児の父。

断捨離

着なくなった洋服を捨てなさい、と妻から言われた。折を見て、妻は私に洋服の断捨離を迫ってくる。

確かに私は洋服が多いかもしれない。

結婚して、今の家に引っ越した時に、洋室に唯一あるクローゼットについて、半分は妻の分、半分は私の分と決めて引っ越しをした。

別々に住んでいて、私が先に引っ越しをしたのだが、荷物を入れたらクローゼットは私の洋服で全て埋まってしまった。後から引っ越してきた妻は、私の洋服をしまう場所がないと激怒したが、持ってきていたハンガーラックに収まったのでそのままクローゼットの所有権は私のものになった。半ば強引にそういうことになった。

そこから2年半くらい住んでいるので、私の洋服も買ったり捨てたりしながらも、増加し続けている。もはやクローゼット一つでは足らないくらい増えている。この家は収納が不足しているな、と私は思う。

 

洋服を捨てるときの「着なくなった服」という定義がそもそも難しい。今は着ていないけども、しばらくしたらまた着るかも知れないのに、一時の判断で捨ててしまっても良いものなのか。

私はここ数年、夏はポロシャツ、冬はニット、合間の時期は長袖のポロシャツか薄いニットを着て過ごしている。それ以外の洋服はほとんど着ない。着た記憶もない。

着ないけどライブ行った時に買ったライブTシャツやら、好きなアーティストや映画、ブランドがユニクロとコラボしたUT系のTシャツを目についたら買うので、カラーボックス2段分くらい所有している。中には袋から出していなかったり、タグがついたままの物もある。一回も袖を通してない洋服を捨てられるだろうか。そのうち着るだろうと思うと、やはり捨てられない。

 

妻からするとそんなにたくさん着ない洋服を所有している私のことが信じられないようだが、私からすると、着る服がないと出かける前に騒いでいる妻のことが信じられない。着る服がなくて困るくらいならたくさん所有して、逆に何着ようか迷うくらいのほうがいいのではないかと思う。

 

そんな感じで私の洋服断捨離は一向に進まない。私と妻の衣類に対する認識も平行線のまま。この争いは終わらない。