その男、武千代

38歳、モッズ系2児の父。

ルミナ Part2

中学生の頃に見た香港映画の予告編、約20年の時を経てHuluで奇跡の再会、36歳になった私が特に印象に残っていた映画本編を2本見る。

時空を超えた、壮大なプロジェクト。

今回は2本目のレビュー。

 

1本目のレビューはコチラ↓

ルミナ Part1 - その男、武千代

 

■2本目「サイキック・アクション/復讐は夢からはじまる」

 

この映画の予告編で何が印象に残っていたかというと、映像よりもナレーションの異色さ。

最後に予告編を見たのが20年も前なので、正確になんて言っていたか覚えてなかったのだが、ネットで検索したらこの映画を紹介しているブログを見つけた。

 

復讐は夢からはじまる | RiO

 

その方がナレーションの内容を詳細に覚えていた。良く覚えているなぁと驚いたのと同時に、こんなマニアックな映画を私より先にブログに書いている人がいて驚いた。感動した。

 

以下、ナレーションの内容を引用すると、

 

オープニングの音楽♪

コメディ!
バンパイア・ホラー!
アクション!
そしてエスパー!
何でもこいのサイキック・アクション

『復讐は夢からはじまる』!
死から甦った男に超能力が備わった。
エッチもするし、空も飛ぶ。
雷も鳴れば吸血鬼も出てくる。
カァーッと言う鳴き声が聞こえて男は腰を振り
空を飛んでは墓が飛びだし…
お月さんが出てきてまた墓飛びだして…
犬は吠えるし光は飛んでゆき…
煙はたなびき車はこっちへ向かってきて…
おおっと包丁も飛んできて…
人も挟まれるなど何でもアリのサイキック・アクション
『復讐は夢からはじまる』!
すごいでしょ?

 

そして、このナレーションが異質だった。

文字だけだと伝わらないが、流れてくる本編映像に合わせて、ただ見たまま、適当にナレーションしてるようにしか当時の私には聞こえなかった。ナレーションというより実況に近い。それがめちゃくちゃ斬新で、約20年経っても未だに印象に残っている。

この予告編がYouTubeとかにあればリンクを貼って見てもらいたかったが、色々探しても全く見つからなかった。とても残念だ。

 

そんな映画の本編を見始めると、主演は映画「七福星」にも出演しているエリックツァンと、ハンサム役で出演していた俳優の2人だった。(ハンサムが主演だと思う)

 

物語の序盤でハンサム役の俳優が事故で超能力に目覚め、他人の夢の中に入れるようになるのだが、映画の冒頭、ハンサムはエリックツァンの夢の中に入ってイタズラするシーンがある。ハンサムは事故前から超能力は使えたはずだ。この辺はガバガバで、最後まで説明はないままだった。(何かあるかと思って、このブログを書く時にもう1回見たけどわからなかった)

 

事故の後、他人の夢に入れる超能力を得たことが、どういう経緯かわからないけど精神病院の先生に伝わり、研究という名目でハンサムは精神病を患った患者の夢の中に入らされる。夢の中に入ってなんの研究をしているのかはよくわからない。

そしてこの精神病院に勤務しているヒロインとハンサムが出会い、精神病患者の夢に入って大変な思いをするハンサムを、研究のためにとヒロインが宥めすかして何度も夢に入らせる。その度デートしたりして、2人の距離が縮まっていくのだが、そこも大して面白くはない。

 

総括すると、前半は香港映画でよくある大して面白くないドタバタパートだった。ここまで見て、予告編の方が面白かったパターンの再来だな、この映画もハズレかなぁ、と思っていると中盤、殺人事件の現場をエリックツァンが目撃してしまい、映画は急展開。映画は一気にサスペンス風に。

 

サスペンス風にシフトチェンジした映画本編では、最初に殺人事件が起きるパートと、それを目撃したエリックツァンが犯人に追いかけ回されるパートで、犯人の顔が隠れてて誰だかわからない。エリックツァンは犯人にビルの10階から突き落とされて(!?)重症を負ってしまう。よく重症で済んだな。

 

次のシーンで、この事件を担当する刑事がでてくるのだが、これが若き日のチョウユンファ。1本目に見た「サイキックSFX/魔界戦士」に引き続き、またもやチョウユンファ。チョウユンファが出てきた時、ちょっと笑った。またか、って。またお前か、って。サイキック物好きだな、って。

 

しかもチョウユンファ、出てきた時から、いかにも怪しいよ!って感じで出てくる。登場して、もう次のパートであっさりチョウユンファが犯人ってわかってしまう。あくまでサスペンス風であって、サスペンスではなかった。

 

そこからはエリックツァンの夢の中に入ってチョウユンファが犯人だとわかったハンサムと、事件の目撃者を全員抹殺するぞと意気込む殺人鬼チョウユンファが、目撃者を守ろうとしたり、殺したりしながら物語は進んでいく。チョウユンファの殺人鬼っぷりは結構サイコ感強くて面白い。

ただこれは香港映画。殺す側も殺される側も結構なアクションを繰り広げていて、チョウユンファは目撃者を殺すのにめちゃくちゃ抵抗されて、そこそこの勢いで転げ回る。普通の映画なら目撃者1人殺すのに、チョウユンファが5人くらい死ぬくらいの転げ回りっぷりだ。

 

命を狙われているエリックツァンを守りながら逃げるハンサム、それを追うサイコ殺人鬼チョウユンファは廃車工場で最終決戦をむかえる。

エリックツァンはチョウユンファに銃で撃たれて絶命、その怒りでハンサムの超能力は覚醒し、廃車工場の車を念動力で動かしてチョウユンファをボコボコにする。最後は2台の車でチョウユンファを挟んで、そこに大量の車をダイブさせてチョウユンファを絶命させる。文字にすると訳がわからないが、ホントにそうなのだから仕方ない。

そして、悲しそうなハンサムの表情がアップになり、唐突にエンドロール。放り出された感が半端ない。しばらく呆然としてしまった。

 

正直、面白いか面白くないかという判断は凄く難しいが、後半、サイコ殺人鬼チョウユンファが出てきてからは結構面白かった。予告編での「何でもありのサイキック・アクション」の「サイキック・アクション」部分は最後の10分くらいで、チョウユンファとエリックツァンが転げ回っている時間の方が長かったのも面白かった。

 

特にオススメはしないし、きっともう2度と見ないし、ストーリーもスカスカなのですぐに忘れてしまうだろうけど、興味があったら見てみてください。Huluで配信されています。

 

以上、大昔に見た香港映画の予告編、その映画本編を約20年後に見る、でした。

 

次回は、大昔にめちゃくちゃ流行ったけど見たことない映画、

「ムトゥ踊るマハラジャ

を見ようと思います。